

3.高効率化学/生化学反応マイクロフローシステム
フローインジェクション分析(FIA)や液体クロマトグラフィ(LC)などの
一般的な化学分析システムでは試料と試薬を混合し,反応させて分析を行うことから,
混合器/反応器が重要な要素となる.
特に測定時間の短縮を考えると速く効率良く混合が起こる必要がある.
微小流路では流体と流路壁との間の粘性の影響が大きくなり,流れは常に層流になる。
このため乱流による混合が期待できず,単純にT字方の流路にサンプルと試薬の2つの液体を導入しても
2つの液が接する界面を通しての拡散でしか混合が起こらない。
このため,効率の良い混合を実現するには流れの接点付近の構造に工夫が必要となる。
多数のマイクロノズルからサンプル流に試薬を吹き出させるような構造で
2液の界面を増やすことにより混合の効率化をはかった。
陽極化成により作成したマクロポーラスシリコン孔アレーをディフーザとして用いた混合器と
Ti-Pt薄膜ヒータとp-n接合温度センサを用い負帰還制御可能な反応器を組み合わせた
図3-1のような混合/反応マイクロフローセルを開発している。
図3-2のマイクロノズルアレーの製作には電気化学的な陽極化成法を用いている。
この構造により均一な2液混合が短時間で可能となった。(図3-3)
このシステムでは流路の構造をできる限り直線状に形成することにより,
滞流が起こらないような工夫がこらされている。
また,図3-4に示したヒータと温度センサの集積化により,
図3-5に一例を示したようにPID制御により精密な温度制御下での生化学反応を実現できる。
高効率反応を実現するのトータルなフローシステムとしての実現は世界でもまれである。
化学合成で求められるスループットはマイクロフローセルの並列化によって達成できる。

図3-1 マイクロ混合/反応セル

図3-2 ポーラスシリコンノズルのSEM写真 図3-3 混合部の流れ観察(試料:水, 試薬: 蛍光物質)

図3-4 反応部の写真 図3-5 反応部のPID制御電圧と温度
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